ThinkPad E585のコイル鳴きについて 10/26更新

※この記事はノートパソコンで起きうるすべてのコイル鳴きに対して効果があるわけではない。コイル鳴きの解決方法がわからずこのページを偶然開いた人の参考になれば...

 

最近ノートパソコンが欲しくなってLenovoThinkPad E585というノートパソコンを注文した

ノートパソコンではほぼ実績のないAMDだが、元AMDerだしフラグシップAPUとメモリ16GBで10万円程度て買えるコスパの高さに惹かれて購入

 

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Ryzen5 2400Gと同じRaven Ridgeで、Ryzen APUとしては1世代目。省電力性は多少あるもののIntelと比べると圧倒的に待機電力が多い

 

普通に使う分には快適なE585だが、スペック以外で問題が生じた

 

コイル鳴きがうるさい

 

 ※この解決方法はわりと重要だったので先に5chの専用スレで共有済。

 約8kHzの指向性の高いコイル鳴きがちょうど顔の来るあたりに集中していることがわかった。

 

いかなる重処理をさせてもコイル鳴きが止まず、USB機器を付けていないときに限りコイル鳴きが発生していることがわかったため、スイッチング周波数が原因ではないかと考えた。

 

コイル鳴きの発生原理(大雑把)

USBなどの直流回路の制御はPWM制御と呼ばれ、DC-DCコンバータはスイッチング素子によるON/OFFによりパルス状の電流をつくり、そのON時間の長さ(パルス幅)を制御することで、一定電圧の安定した直流電流を得ている。

 このスイッチングがコイル鳴きの原因で、電流値が出ている場合はスイッチング周波数が非常に高くなるので可聴域外の音になり聞こえなくなる。

 

しかし、省電力機能が働いてるときはスイッチング周波数が劇的に落ちるのでコイル鳴きの音が可聴域に落ちてくる。これがコイル鳴きの原因になる。コイル鳴きが聞こえていない状況でも実は音が発生している。

 

コイル鳴きは仕様で故障や初期不良にならないことが多い。少なくとも自分で設計する場合は仕様扱いにしている。(もちろんコイル鳴きが起きないような対策は行い実際ほとんど聞こえないようにはする)

 

 

コイル鳴きを解消する方法

・USB機器を刺して通電させる

上記の原理上の問題を解消するには単純にスイッチング周波数を上げることが必要でそれは単純にUSBに給電することで実現する。

 

最近売っているフラッシュメモリは小型のものもあり、運搬時であっても邪魔になることはない。USB3.0接続のメモリのほうが動作電力が高いのか音の減衰はUSB3.0機器のほうが優秀だった(完全に音が消えるわけではない)

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なお、このような小型のUSB3.0接続メモリはかなり発熱するので、プラスチックハウジングではなく金属ハウジングのものを選ぶのが望ましいと思う。

 

根本的に解決させるには設計レベルで見直しを行うかコイル鳴きを発生させているコイルをしっかり封止してある個体を使うことに限る。後者はやる気を出せば可能ではあるが自分の手で基盤に手を加えることになるので今後保証が受けられない可能性が高い。

 

USBフラッシュメモリを刺すとまずコイル鳴きはなくなるが、暫く経つとコイル鳴きが再発する。

 

 コイル鳴き再発対策

USBフラッシュメモリへの給電をやめない設定をする

 

バイスマネージャー → ユニバーサルシリアルバスコントローラー → USB大容量記憶装置プロパティの電源の管理タブ内の

「電力の節約のために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにする」

という項目のチェックを外す(画像)

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これでコイル鳴き再発を解消できる。

 

2018/10/26追記

久しぶりにUSBメモリを抜いてみたら、コイル鳴きが聞こえなくなっていた。

正確には鳴っているのであるが、特に起動時に「ジュジュ」というような音が耳に付く程度で、耳障りな高い音はギリギリまで耳を近づけないと聞こえなくなった。

 

USB関連回路自体の動作が落ち着いたなど憶測はできるが、はっきりとした結論はできない。いきなり可聴域が狭まったとは思いたくない。

 

もしかしたら回路に負荷をかける対策を行わずに運用しているE585使いも同様にコイル鳴きが収まっているのかもしれないが、真相はどうでもいいので闇に放り投げることにした。